【 】おはなし ２番

坂口有望

──命の儚さ、尊さなど気にも留めることなく - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 生きていて当たり前、大切な人が沢山いて、次の日もその次の日も変わらず傍にいてくれると思ってる。 だけど、ドラマや映画でよくある追悼や追慕の話を、私達が感動を求め、暇潰しの為に鑑賞している裏で、心から誰かを想い、哀しみで泣いている人がいることを忘れてはいけない。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - いつもと同じ時間に 流れるニュースは 悲しい出来事ばかりで 少し真面目に見たんだけど 心の奥の何処かで そっと思っているんだ あぁ 私じゃなくてよかった あぁ ここじゃなくてよかった 嬉しいとき楽しいときに 代わりに誰かが泣いていたら 嫌になるほどの争いが 私の土台だったとしたら ほら 気づけば過ぎていったこの一秒間 その一瞬にたった一瞬に たくさんのなにかがなくなったんだ そう 何気なく過ごしたこの一秒間 その一瞬にたった一瞬に たくさんのなにかが生まれたんだ - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - ──けれど同時に、死にいく人々の存在にも確かに気付いていた。