一章「生涯使えますよ、主」 第一話
素敵なBGMお借りしました!
一章「生涯使えますよ、主」 第一話
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#新卒審神者と主任長谷部
突然話し掛けてきた、煤色の髪の男は私に「主」と言ってきた──!
ちょっぴり不審者にしか見えない長谷部と、至って普通の女性である主人公が織り成す、笑いあり(?)涙あり(?)のハートフルラブコメ!(多分)
前回同様こちらのキャストでお送りしております!不定期更新となりますがどうぞ宜しくお願いしますー!
・へし切長谷部役:或布
・審神者(主人公)役:かなっぽ
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「…ようやく見つけましたよ、主」
その声はやけに鮮明に、耳の中へ滑り込んできた。
振り向くと、煤色がかった髪色の男性がそう告げて笑っている。
まるで、あたかも私が知り合いのように。
「生涯仕えると、あれほど忠誠を誓ったというのに…いつまでも迎えに来て下さらないなんて。本当に人が悪いですね」
逃げる隙も与えないくらい、まっすぐ私に話しかけてきている。
けれど、彼は私の知り合いなんかではない。全然知らない人だ。
「…そもそも誰ですか?」
「俺の事をお忘れになったのです?」
「あの…人違い…では?」
「…俺があなたを見間違えるとでも?」
「でも、あの…私はあなたの事、知らないですし…」
「あなたが知らなくとも、俺が知っていますよ。あなたとは…前世からの付き合いですから」
わかっていたけれどこれは相当やばい人だ。
そもそも、初対面の人に前世がどうとか言い始める人間にろくなやつはいない。
とりあえず、この場からすぐ逃げなきゃもっと巻き込まれちゃ…
「…何処に行くんですか、主?ははっ、まさか…逃げられるとでもお思いで?」
「ッ、離して…くださ、」
「ええ、主が俺と共に来てくれるなら…いつでも離しましょう」
「………わかりました。詳しく話を聞かせて貰ってもいいですか?」
「流石、相変わらず聡明な主です。判断が的確で俺は嬉しいですよ」
遠回しに諦めたことを褒めるんじゃない、この不審者め。
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