一人声劇「immortal」台本
りんりん
一人声劇「immortal」台本
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鏡に映る自分の姿は昔から何一つ変わらない。
この世の全てから、置いてけぼりをくらったみたいに、私の時間だけが止まったまま。
親しかった友人は皆(ミナ)老いていき、もう随(ズイブン)分と昔に逝(イ)ってしまった。
『不老不死』なんてものは幸福な人生を与えてくれるわけもなく、寧(ムシ)ろ永遠の命と若さの代償だ、とでも言うように。私に絶望を与えた。
何度命を絶とうとしたことか。
身を裂き、首を吊り、毒を飲み、頭を撃ちぬき……思い付くものは全て試した。
けれど、その度に耐え難(ガタ)い苦痛に襲われ気が付けば無傷で存在しているのだ。
もう『化物(バケモノ)』としか言いようがないこの体。
終われないとわかっているのに、終わりを求めずにはいられない。
そっと目を閉じて。
「願わくは、次の目覚めの時が訪れることはありませんように。」
私はまた自分を殺すのだ。
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