【ひとり声劇】失恋
さつね
【ひとり声劇】失恋
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またまた作っちゃいました
ちょっとぐるぐるしてる話です。
ご自由にどうぞ。
夏ですね
【失恋】
失恋
もう一回、もう一回。
声を重ねてみようと思った。
痛さもうっとうしさも全部受け入れてくれなんては言わないから、
面と向かって会話をしたかった。
蝉が鳴いている。何もせずに淡々と時間が過ぎていく。
音の鳴らない携帯をゲームで心を埋めてみる。
もう一回、もう一回だけ話しがしたかった。
優しい声の君と。
近年の異常気象は夏と梅雨をごたまぜにしてしまったようで
雨と暑さと蝉が交互に訪れる。
いつもの夏とは少し違うななんて考えていた。
「おたがいのために」
「これ以上は申し訳がない」
そんな言葉で最後を締めくくる。
頭が悪いから、そんな言葉を受け入れることしかできない。
普段とは違う、夏までの関係だった。
優しい声、少しだけ怒りっぽいけど思慮深い口べたな君は。
多分、今、もう一度
「君が好きなんだ」
なんて言えば
もう、聞き慣れたよと君は少しだけ苦そうに笑うんだろうなぁなんて
二度と疎通がとれない携帯を眺めていた。
#ひとり声劇 #声劇台本
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