【声劇台本】氷砂糖
読み手 時雨 * 書き手 ちとせ
【声劇台本】氷砂糖
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(。-ω-)------台本------(-ω-。)
「そうね きっと 君は意気地無し」
「ごめんね こんな僕で ごめん」
ごめんね
そう答えることしか出来ない
意気地(いくじ)無しな僕
君に言えずに呑み込んだ 曖昧な感情は
甘いものを口にした後の痰(たん)のように
丸い眼も 淡い髪も
弾ける笑顔も 優しい歌声も
滲(にじ)む涙でさえ 僕は
君に貰った氷砂糖はいつも
溶けきる前に噛み砕いてしまう
口いっぱいに広がる甘い唾液(だえき)
愛に飢えた僕を潤して 奥底へと染み込んでいく
君に触れるたびに また君が足りなくなる
こんな感情 知らないや
「そうね きっと 私、君が好き」
「ごめんね こんな僕で ごめん」
浅はかな僕の心の臓は脈を打ち
どうにか誤魔化したくて
無理矢理詰め込んだ僕の言葉に
君の涙は淡い軌跡を描(えが)き
柔らかな鎖骨へと落ちて行く
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