【朗読】夜明けのうつわ

文月悠光

若手の詩人、文月悠光さんの詩集｢わたしたちの猫｣より ｢夜明けのうつわ｣ 一部朗読 BGMお借りしました！ ｢90秒の為のインスト Op.01｣／イチロク ────────────── ｢夜明けのうつわ｣ ぼくたちは与えられた雪。 箸に降りかかる雪。 知らずにここへ運ばれていた。 ｢一緒になる｣ってどんなことだろう。 テーブルに白いうつわを重ねながら 帰り着くべき場所を探していた。 うたい終えたはずなのに 唇の輪郭が夜気に宿る。 きっと誰かもこうして今を───。 この闇を｢ヨル｣と名づけた 瞳の奥の静けさを裂く。 左胸をベッドに押し付けると、かすかに揺れはじめて ああ夜が鼓動している。揺れながら願う。その背中にひたいを押し当てて、もう一度、染まっていくように泣きたかった。 きみが壁ではないことを きみを殺して証明したい。 懐いた背中をこじ開けて つきとめる。 心は生きたまま、 うつわの中を一周し、 夜のむこうがわへ渡るだろう。 うたの続きを覚えなさい。 続きがないなら作りなさい。 ぼくたちは呼ばれる森。 季節に待ち伏せされるよろこびを いっそう泡立てて、 うつわに円を描きだす。 ─────────────── お久しぶりです！生きてます🍵 詩のチョイスあれですけど、げんきです！ 最近、詩集なんてものを買ったので朗読したかったんです👐🏻 自己満おつきあい感謝🙏🏻