【和風台本】二つの面【一人声劇】
演者【夜咲】
【和風台本】二つの面【一人声劇】
- 28
- 1
- 0
思えばいつからか
夢か現(うつつ)かも分からぬ中を歩んできた
人と妖怪の間(あいだ)に生まれ落ちる
それが、どれ程忌まわしき(いまわしき)ことか
幼い俺には
己が背負わされた血の罪など分かるはずもなかった
一族に奪われた俺の命は
兄と、ある妖怪の手によって
再びこの世に戻ったと聞いている
……里の皆殺しと引き換えにな
今はこうして妖(あやかし)の面(めん)を被って(かぶって)生きているが
幻に見るのはいつも同じ
里の皆と過ごした、戻らぬ日々だ
例えそれが紛い物(まがいもの)の愛だったとしても
俺の感じたは温もりは本物だった
何物にも、代え難い(かえがたい)……
斯様(かよう)な憎しみを抱く(いだく)のは
人の面を被っている為だろう
どちらの面も捨てられずに抱え込んだまま、
この愚かな半妖(はんよう)は如何に(いかに)生きるべきか
もし、
おまえの言う神とやらが存在するのなら
一度訊いて(きいて)みたいものだな
#台詞 #声劇台本 #声劇 #1人声劇 #一人声劇 #朗読 #和風 #和風台本 #切ない #悲しい #静か #シュリオリジナル #シュリBGM
Comment
No Comments Yet.