【声劇】猫と風車と焼きたてのパン
cv.◯◯ 演奏/Riro 台本/襖猫
【声劇】猫と風車と焼きたてのパン
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Riroさんの演奏する
BGMをお借りしました。
イギリスの工場。
日雇いの仕事で生計を立てている少年。
というイメージで書きました。
外見はラピュタのパズーを
イメージしていただけるとわかりやすいのかな?
特にストーリーらしいストーリーも無く、
事件も無い、のんびりしたお話です。
少しでも情景を思い浮かべて
いただけたら嬉しいなと思います。
かなり余裕を持たせてあるつもりなので、
ゆったり、のんびり演じてもらえると幸いです。
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仕事が終わった。
ぼくは3ポンドと20ペンスの
給料を受け取って工場を出る。
街に行って角砂糖とパンを買った。
すごく固いけど。
仕事帰り、ちょうどこの時間に
風に乗って運ばれてくるライ麦の香りが、
ぼくはたまらなく好きだった。
おじさんがサービスでミルクをくれた。
「ありがとう!」
ぼくは帽子を脱いでペコリと頭を下げた。
錆びついて硬くなったペダルを
力一杯踏むと、
ビュンっと一気に加速する。
街はずれには大きな風車がある。
この丘で焼きたてのパンを食べるのが
ぼくの日課。
薄茶色の毛並みだけど、
口元は真っ白。
なんだか偉そうな髭(ひげ)を蓄(たくわ)えたような猫が
紙袋に近づいて鼻をならす。
パンを少しだけちぎってみたけど、
あまり好みじゃないみたい。
さっきもらったミルクに角砂糖を
浮かべてやると美味しそうに舐めていた。
「ありがとう」
そう言ったような気がしたけど、
風車の音で何も聞こえなかった。
Comment
5commnets
- 襖猫
- にゃんこ🐈お借りいたします!🐈❤︎
- 襖猫ありがとうございます😊
- 襖猫
- ひよりお借りします!