【朗読台本】裁縫少女【1人声劇】
作:恵音 読:あなた
【朗読台本】裁縫少女【1人声劇】
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朗読台本です。『人』シリーズ第2弾。
人の抱く感情の中で、最もおぞましいもの。何を思い浮かべるだろうか?
あなたにとって感情とは、何だろうか?
第1弾 【存在理由】
https://nana-music.com/sounds/02b3dc7a/
第3弾 【色のない街】
https://nana-music.com/sounds/02bacd58/
第4弾 【夢の光】
https://nana-music.com/sounds/02c10129/
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※一人称、文章の変更、設定、世界観。
解釈の仕方も含め、ご自由にどうぞ。
静寂に包まれ、モノで溢れかえっている部屋の中。
音の出ないテレビを見ながら、少女は今日も飛び交う怒号を聞く。
逃げるように外に出たある日の事。
少女は一羽の鳥に出会った。
翼を失いかけているその鳥に何故か惹かれた少女は、家に連れ帰り…直した。
相変わらずモノで溢れかえっている部屋の中で、鳥の鳴き声だけが聞こえる。
…何がダメだったのだろう。
飛び交う怒号。飛び交うモノ。
刺さる言葉は刃のように冷たく鋭い。
常軌を逸した喧騒が部屋を支配していた。
結果、鳥は壊れてしまった。だから直した。
壊れたから、直した。当然のように。
壊れて、直して。壊れて、直して。壊れて、直して。繰り返し、何度でも直した。
気付いた時には、いつもの静寂に包まれていた。いつも通りの部屋の中。少女はその事に気が付かない。
裁縫だけは得意な少女。
壊れていたのは何だったのだろう。
部屋に溢れたモノの、笑い声が聞こえる。
#朗読台本 #声劇 #台本 #オルゴール #鍵
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