朗読台本『雨と傘、それに飛行する君』
〈あなたのお名前〉
朗読台本『雨と傘、それに飛行する君』
- 105
- 6
- 1
雨なのに楽しそうな人のおはなし。
友人からテーマ「雨」を頂いたので、書かせていただきました!
とうとう梅雨入りですねー、気分もジメジメしやすくなりますけど、気張っていきましょー。
※一人称変更などご自由にどうぞ!!
――――――――――――
あれは雨の朝だった。
これから出かけるのが
とても億劫だった。
雨は嫌いだからね。
なんとか眠気を覚まそうと、
コーヒーをすすりながら
ふと窓の外を見たんだ。
するとビル群の合間の空を
君が透明の雨傘をさしながら
陽気に飛んでいるのを
見つけてしまったんだ。
でも僕は、嫌に冷静だったな。
「君、空なんか飛んで
どこに行くんだい?」
そんなことを聞いた気がする。
雨なのに、ね。
君ったら、僕の質問なんか聞かずに
白いワンピースが濡れるのも構わずに
ただ嬉しそうに、飛行するんだ。
その雨傘は荒れる気流をつかまえて、
高く高く君を飛翔させた。
いよいよ高く飛びすぎて
とうとう君は見えなくなった
と思ったそのとき、
雨が突然、やんだんだ。
晴れ間と虹が、現れたんだ。
あぁ、こんな天気なら
出かける気分になりそうだ。
今日も頑張れる気分になりそうだ。
さて、学校に来て、
授業に間に合ったのはいいけれど
君はとうとう、学校に来なかったね。
とても君らしいと、思ったよ。
――――――――――――
#声劇 #台本 #声劇台本
#朗読 #朗読台本 #一人声劇
#truomの台本
Comment
1commnets
- あやなお借りしました!