【声劇台本】深海の伴奏会(二)
☆奏者( )
【声劇台本】深海の伴奏会(二)
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私の体は海底へと沈んでいった。
アンデルセンの「人魚姫」のように
自分の身体が溶けて泡になっていくような
そんな感覚が頭を過(よ)ぎった。
「あの音だ」
深海だというのに息苦しくもなく、
ここは、地上の世界よりも息がしやすい。
私の吐息がこぽこぽと
泡となって上へと登って行く時、
暗い海の底に一筋の光に照らされた
黒いピアノがそこにはあった。
私はその椅子に腰掛け、鍵盤を押し
自由になった私の手は
ひとりでに悲しく美しい曲を奏でた。
私はこの曲の題名を知っている。
海底に沈んだ私を
白い三日月がみているような気がした。
…目を覚ますとそこはあの海岸だった。
「あぁ。私はきっと寂しいのだな。」
夜空には三日月が光っていた。
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_人魚姫は、透き通った両腕を
お日様の方へ高く上げました。
その時はじめて、姫は涙という
ものを感じました。
コラボお待ちしております!( ˇ-ˇ )
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- きょうじろう@Vすこ勢お借りしました!