現実逃避
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現実逃避
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声劇第八弾!
今回はとあるリアリストのお話です。
わかりやすい話ですが解釈はお好きにどうぞ( ´∀`)
♠︎リアリスト
♡見知らぬ女の子
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どうか離れないでと縋り付くには、遅過ぎたんだと思う。
♡「どこを見てるの?」
♡「何を見てるの?」
僕が見ていたものは君ではなかったのか。
雨音がうるさい。
♠︎「僕は何をしてたんだろうね」
♡「苦しいの?」
♠︎「どうだろう」
♡「泣きそうな顔してる」
♠︎「そうでもないよ」
女の子は僕の頬を撫でるふりをした。
触れてはくれなかった。
涙が出る。
♡「ほら、ね」
♠︎「君のせいだよ」
僕はリアリストだ。
それでも君には、理想を押し付けた。
…僕の現実って、
♠︎「やっぱり僕のせいだったかも」
♡「でしょう?」
今度は涙を掬ってくれたこの女の子が誰なのか
何者なのか
現実主義者であった僕にはわからない。
非現実を受け入れる勇気は、僕にはない。
♡「ねえ、幸せになれるよ」
♠︎「…君も一緒に?」
♡「いいよ。一緒に歩いてあげる」
僕はリアリストだ。
現実主義者だった。
何かが弾ける音を、耳の奥で聞いた。
僕の部屋の窓は開いていた。
ここから見ると随分高く、嫌に薄暗いあの場所で、僕は蹲っていたんだな。
隣には誰もいなかった。
僕の手は何を掴んでいたんだろう。
雨はいつ止むんだんだろう。
何もわからなかったけれど、
僕は確かに幸せだ。
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以上です( ´∀`)
アレンジアドリブ大歓迎です
自分でやってみた↓
https://nana-music.com/sounds/02a10c80/
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