【声劇】悲しみがそして始まる【長編台本】
☆少年〇〇 ♡少女〇〇
【声劇】悲しみがそして始まる【長編台本】
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どうやら意識を失ったあたしは、たまたま残業帰りだった父に発見され、病院に運ばれたようだった。
医師と話した父からは、ただの貧血だったからすぐに帰れると聞かされる。
ああ…父が不自然な笑顔で話してる…
…嘘、なんだね…。
不自然な笑顔は嘘をつく時のパパの癖だもんね。
家へ帰り部屋へと戻ったあたしは、ベッドに横になり見慣れた天井を見つめる。
「半年かあ…」
なんの実感もなく誰にともなく呟くと同時に、あの本のことを思い出して体を起こすとカバンの奥にしまい込んでいたそれを取り出す。
ペラペラとページをめくっていき白紙のページまで辿り着くと試しにそこへ「彼から電話がかかってきて仲直りする」と書いてみる。
ーと同時にあたしのスマホが震える。
「もしもし?」
☆「…まだ起きてた?」
♡「うん、起きてたよ」
☆♡「………」
♡「今日はごめんね?なんか、ちょっと不安だったんだ」
普段の自分にはなかなか口にできない本音が溢れ出る。
☆「俺こそ、ごめん。
でも、嫌とかじゃないんだ。
ちゃんと大事にしたいから…責任が自分で持てるようになるまではって思ってて…。今はまだ仕事も始まったばかりで安定してないから……。
ほんとごめん。」
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