【朗読台本】「あなたの声が消えた日」【コラボ用声劇】

あなたのお名前

どうぞ、よしなに。 以下、言の葉です。 あなたの声を、 私は忘れられずにいました。 それは梅雨の終わり 雨上がりの水たまりに映る透明な世界が 夏の始まりを告げた日のことです。 時計の針が指した時間に 思わず溜息を吐いた午後。 目の前の喫茶店の扉が開く度に カランコロンと音がして、 少しばかり俯いては、前を向く。 その、繰り返し。 あなたの声が消えた日を 私は今日も忘れません。 季節は未だ春を何度も繰り返し 止まったかのように長く、遠い。 あなたの声をどうかもう一度、 私に、聴かせてくれますか？ 満ち足りた日々に咲いた花は、 届くことはきっとないのだから。 あなたの声をどうかもう一度、 私に、聴かせてくれますか？ 今日も相も変わらずに 胸に在り続ける、想いの付箋。 #声劇 #朗読 #台本 #朗読台本 #コラボ用 #めのうゆあ 素敵な演奏、お借りしました。 ※吐いた:ついた