朗読台本 『雪降る朝に、あなたは』
読み手:○○
朗読台本 『雪降る朝に、あなたは』
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<<<せめて、名前の一つでも聞いていれば…>>>
◇台詞
「すぐに戻る。」
あなたはそう言って、私を置いて出て行きました。腰に湾曲(わんきょく)した、美しい刀をひとつ携(たずさ)えて…
名前も素性(すじょう)も知らぬ、1人のお侍様…
あなたはある時、闇夜で複数の男に襲われていた私を助けてくださいました。
私はあなたにこう言いました。
「このご恩は一生忘れません。
私にできることがあれば、なんなりとお申し付け下さいませ。」
すると、あなたは一言。
「では、しばらく、そなたの宿に泊めてくれ」と言いました。
私は様々な覚悟をしておりましたが、
あなたは言葉の通り、ただ寝泊まりするだけでした…そして、3日ほど経つ頃、あなたは言いました。
「すぐに戻る」
あの言葉からもう一月(ひとつき)の歳月が経とうとしています。名前もわからぬお侍様…今はどこでこの厳しい冬をお過ごしでしょうか?
せめて、名前の一つでも聞いていれば…
日に日に募(つの)る後悔…私は今日も…降り積もる雪に思いを馳(は)せ…
#らすかるの台本
Comment
3commnets
- らららすかる@毎月15日に新作台本
- リンお借りします(*・ω・)*_ _)
- 暢子そして、どうなったのか非常に気になりすぎ、続編を希望します、、!!!(;:´°;Д;°`:;)