( 声劇 ) 好きの代わりに幸せを。
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( 声劇 ) 好きの代わりに幸せを。
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右も左も分からない私にそっと色々なことを教えてくれた先輩。
いつでも明るく話しかけてきてくれた先輩。
悩みがあれば真剣に聞いてくれたし、くだらないことでも一緒に笑ってくれた先輩。
そんな先輩が今日、この学校から“卒業”するらしい。
桜の下で花束を抱えた先輩の笑顔を見てから、その言葉は強く実感のあるものになってしまった。
それでも、信じたくなかった。
明日になればまたいつものように会える気がしていた。
でも、先輩の頰に伝う一筋の涙を見たら、
『あぁ、最期なんだ』
そう思って動けなくなった。
もし、今私に少しでも勇気があったなら、
先輩の背中に声をかけて呼び止めるくらいできたのだろうか。
好きという、短くて重い言葉を口にすることもできたのだろうか。
溢れ出しそうになった涙をそっと拭った。
今泣いてしまったら、きっと、
もっと見えなくなってしまう。
真っ直ぐ未来を見据えて新しい春を迎えようとしている先輩を、
ちゃんと見送ることも、背中を押して送り出すこともできなくなってしまう。
情けない後輩で終わるのは、嫌。
好き、なんてそんな、
そんなワガママ、
今更言えるわけない。
だからせめて、
先輩はたくさん幸せになってください。
それが私の幸せだから。
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よければお使いください!
一言かけていただければ聞きに行きます🙌
BGMお借りしました
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