金平糖の後味。
朗読者
金平糖の後味。
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台本です、ご自由に使ってください。
一人称、二人称は気の向くままに。
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金平糖の味はどろりと染まった子供のような味だ。
口の中に入れて噛むとなんともいえない甘さが広がる。
君と過ごしたあの冬を思い出した。
ふわふわと降り積もる雪を見て、「金平糖みたいだね」と、君が話したことを思い出した。
「こんなに金平糖が積もったら大変だよ」なんて、僕は笑ったことを思い出した。
その後も金平糖を見ると、君と過ごした日々を思い出す。
君も金平糖を見たら、またあの雪に包まれたいだなんて言ってたね。
雪が溶けていった日。
君は雪と一緒にどこかへ行ってしまった。
…そんなに雪が好きなら、雪国へつれていってあげればよかった。
毎日雪と隣合わせで、雪が溶けることもない。
そんな日々を。
がり、と音を立てて金平糖を噛む。
口の中で溶けた金平糖。
甘く広がった味は濃厚で、喉に苦しい甘さが残った。
君が金平糖を食べずに済んでよかったなと心底思った。
Comment
2commnets
- Rui@負け犬系女子お借りしました!
- ろろろくん!!!!そう言っていただけて本当に嬉しいです!!!!ぜひ使ってください😭😭