【声劇】龍と人の伝承【朗読】
朗読者様︰〇〇
【声劇】龍と人の伝承【朗読】
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〜あらすじ〜
どこか遠い森の中、見晴らしのいい丘の上で焚き火を見つめながら老人は笛を吹く。その老人の側にいる少年は老人の持つ古い書を読むのであった。その書物には、巨大な翼を持つトカゲの様な生き物が描かれていた。
〜朗読部分〜
はるか昔、人と龍は共にあった。
人は龍を。龍は人を。互いに思い合い。心を通わせ、空を自在に駆けたという。
だが、いつの日か人は龍の力を己(おの)がものとしようとした。人は無慈悲にも龍に矛先を向けたのである。盟友であるはずの龍の瞳に。心の拠(よ)り所であったはずの龍の心臓に。その鋭く尖った槍や、劔(つるぎ)で。
何匹かの龍が死した時、大きな大きな白い龍が人々の前に現れた。その龍が一度(ひとたび)吼えれば、近くの山が噴火し、湖(みずうみ)が割れた。
人々は龍の逆鱗に触れてしまったのである。
人々は白い龍に何人もの生贄を捧げ卑しくも許しを請うた。
しかし、白い龍は生贄には眼もくれなかった。ただ、真っ直ぐに人々を見つめた。
人々は只々恐れ戦き白い龍を拝んだ。
哀れにも人々はそうすることしかできなかったのである。
白い龍はそれを見届けると、その大きな翼を広げその場を立ち去った。
それ以降、人と龍は心を通わせることはなかったという。
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