『一人ぼっちの神様』 一人声劇台本
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『一人ぼっちの神様』 一人声劇台本
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2作目。
ミステリアスで寂しがり屋な守り神様を書きたくなりました。
子供自身や、子供の親が寂しがるだろうと、自分が寂しくても神隠し(迷い込んだ子供を家に返さないこと)はしない優しい神様なのです。
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通りゃんせ、通りゃんせ。御用のないもの、通しゃせぬ。
しかしてそこな坊や、坊やは通って良いぞえ。
……ふふ、やれ可愛らしや。通す代わりに坊や、ちょいと抱きしめさせてくりゃれ。
ここでずっと一人きりは、なかなか辛いものがあるでの……。おや? どうかしたかえ?
……ああ。坊やは優しいの。ここから出ようとは……それは叶わぬ。行きはよいよい、帰りは怖い。ここを誰もおらぬ、寂しい場所にしてしまうことは、許されることでは無い故な。
ああ、そんなに言うのなら坊や、坊やがずっと、此処にいてくれれば良い。……嫌、か。そう、であろうな。
ほら。門が閉ざされてしまう前に、帰りなせ。母親も心配して居るだろう。……ああ、そうさね。
……またね、とな。せっかくの言葉だのに……残念だのう、こちらの方が相応しいのは。……さようなら、坊や。
17/3/24/18:40 本文編集
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1commnets
- chocolate(*^^*)お借りしました♪( ´▽`)