【声劇・朗読】マフラーに食べかけの星を【台本】
読み手【莎夢】
【声劇・朗読】マフラーに食べかけの星を【台本】
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あったかい涙もあるんですね。
……ギリギリでした(バタッ
🐙……………………………………………………………………………
「心はね、こうするとあったかくなるんだよ」
その日の夜は、少しだけ寒かった。
僕はマフラーを巻き直して空を見上げた。
空気がいつもより透明で、
星がいつもより大きく見えた。
女の子は僕の隣に座ると、
僕の手を両手でギュッと握った。
ほんの少しドキリとした。
胸の奥がじんわりと不思議な感覚に包まれた。
僕はひとりぼっちには慣れていた。
僕はひとりぼっちを秘密にしていた。
僕の心は少し寂しかったのかもしれない。
涙が一粒、こぼれおちた。
涙は悲しい時に出るものだと思っていた。
だけど、違った。
心はちっとも悲しくなかった。
心は不思議なくらいあったかかった。
「君は魔法が使えるのかい?」
僕は女の子に聞いた。
女の子は″そうだよ″と答えて、
″貴方も使える優しい魔法だよ″と笑った。
″貴方にも後で教えてあげる″と
食べかけの星を僕の手にのせて、
女の子は行ってしまった。
僕は女の子の後ろ姿に″またね″と声をかけて
そんな自分が少しおかしくて、ふふっと笑った。
トゲトゲと強がっていた僕の心は、
女の子の優しい魔法によって、
″まあるい″心に変わったのだった。
「またね、だって」
Comment
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- 莎夢◆声劇用?わ、ぴぴさーん! こちらこそ聞いてくれて、ありがとうございます(ノ)ω(ヾ) ギリギリの中世界観に少しでも近づけたら嬉しいです…* へへ、ぴぴさんの台本も声劇も好きなので、居るときには聞いてからぴこぴこしまーす✩°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝