【一人用声劇台本】運命られた時、時計塔の少女【オリジナル】
演者様のお名前をどうぞ
【一人用声劇台本】運命られた時、時計塔の少女【オリジナル】
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前作:刹那の時、時計塔の少女 http://nana-music.com/sounds/01f7abe1/
久々投稿の台本は、時計塔の少女シリーズ最終作。
今回も素敵なBGMをお借りしております。
《台本》
滑り始めた時の砂は、とめどなく、そうであるのが当然のように流れ落ちていく。
変わり映えのない風景が、おどろくほど速く通り過ぎていく。
まるで、世界というひとつの命が、最期の時を迎えようとしているみたいに。
「わたしも、外の世界に……」
あの竜のように。
空を渡りここまでやってきた、勇気ある彼らのように。
意を決して、足を踏み出す。
体が消えようとしていても、もう気にならない。
今まで自分が過ごしていた時計塔が、こんなに高く寂しいところだったなんて。
「出られた、外の世界に……!」
赤に染まった空を見上げた瞬間、頭が焼け付くように痛んだ。
心の奥底で閉ざされていた扉が、音を立てて開こうとしている。
現れたものは、記憶。
自分の、本当の名前の記憶――。
「わたしは……わたしの名前は、モア」
モア、それは終末の女神の名。
モア、それは最期を告げる呪いの言葉。
モア、それは――。
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- はるの(ミヤモトナホ)お借りしました!