【声劇台本】殺人鬼【一人声劇】
朗読者【おもち】
【声劇台本】殺人鬼【一人声劇】
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結局自分も殺人鬼
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ねぇ、変な話をしてもいいかな?
君は信じないかもしれないけど。
……ああ、こんな話、誰も信じないか。
まぁ、戯れ言程度に聞いてよ。
僕はね、時を飛べる。
この力を世界の平和のために使おうと思ったんだ。
……一年前、妹が殺された。
犯人は捕まったんだけど、どれだけ裁かれようと、当然妹は戻ってこないだろう?
だから、僕は妹が殺される前の時に戻って、犯人を殺したんだ。
それから僕は、たくさんの殺人鬼を殺したよ。
ほら、有名なあの事件の……って、君は知らないか。
……平和になると思ったんだ。
そのうち、気付いた。
殺しても殺しても、殺人事件がなくならないことに。
僕が殺した人間がいない世界は、その穴を埋めるように殺人鬼を生み出した。
人間はいつだって紙一重だ。
臆病で、不安定で、ほんの少しのきっかけで、天国にも地獄にも行く。
……僕が一年前助けた妹は、母さんを殺したよ。
知らなかったんだ、妹が母さんに虐げられていたなんて。
はは……殺人鬼は、僕だった。
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2commnets
- もちっ
- 鬼狸(きり)@サブ垢うまいじゃんかよ…(。・´_`・。)