オリジナル台本&BGM 戦場の恋人 魂の帰還
Music&Script By Guardian
オリジナル台本&BGM 戦場の恋人 魂の帰還
- 93
- 4
- 2
戦場の恋人 魂の帰還
ポーランドから、ドイツの侵略を逃れるため、
スイスに疎開していたグレース。
一方、イギリスの連合軍にパイロットとして志願した恋人、ロバート。
ロバートから、最後の手紙が届いたのは、終戦の半年前だった。
ロバートの手紙
「親愛なるグレース
もう時期終戦になるだろう。検閲が厳しいので、こちらのことは、何も書けないけれど、僕は、なんとか無事に帰れそうだ。グレース、心から愛してる。必ず君の元へ戻ると約束する。君の好きな花の土産を持って行く。
ロバートより」
グレースは、スイスの田舎で酪農の手伝いをしながら、ロバートの帰りを待っていた。よく晴れた午後、野原で景色を眺めながら、座って休んでいた。
グレース
「今日は良い天気ね。ロバート…どこにいるの。もう戦争は終わったのよ。私の居場所、きっとわからないのね…」空を見上げ、ため息をつく。
そよ風が吹いて来た。
(後ろから、ちょっと驚かせるように)
ロバート
「誰かお探しですか、お嬢さん」
グレース
「どなた…、え…?ロバート!生きていたのね。よくここが…(泣きながら)
今までどこに…」
泣いているグレースをそっと抱きしめた。
ロバート
「泣かないで、グレース。待たせてごめんね。ほら、約束のお土産だよ。
ダイヤモンドリリーという花。
凄く綺麗だろ」
グレース
「なんて綺麗な花なのかしら。嬉しい」そっと、唇にキスをした。
ロバート
「花言葉はね、また会う日を楽しみに。それと、箱入り娘かな」
グレース
「箱入り娘!私がどれほど大変だったか、知りもしないくせに。
ねぇ、お腹空いてない?何か作ってあげる」
久しぶりに見た、グレースの笑顔。
とても綺麗だ。
「そうだね…お腹…ぺこぺこだよ…(悲しい声)」
グレース
「ここのチーズ、凄く美味しいのよ。パンと一緒に食べると最高なの…、…ロバート…ロバート?」
振り向くと
ロバートの姿はなかった。
足元に、ダイヤモンドリリーの花束が落ちていた。
グレースは、そっと花束を抱きしめた。
「花なんて…いらないわよ。あなたがいればそれだけで幸せなの…ロバート…愛してる」
グレースは、溢れる涙を拭おうともせず、その場にしゃがみ込んでいた。
そっと、柔らかな風が頬を撫でる。
「愛している、グレース」
ふと耳に彼の声が聞こえた。
グレースは空を見上げながら
「ありがとう、ロバート…約束を守ってくれたのね。私も愛してる。あなたのこと…忘れないわ…」
目を瞑り、祈りを捧げる。
ダイヤモンドリリーの香りがグレースを包み込んだ。
アルプスの山々の上、雲の切れ間から、一筋の陽の光がグレースを優しく照らす。
悲しみを癒す様に。
La Fin
もし良かったら、声劇に使ってください。時間内に収まるかわからないので、アドリブなどのアレンジお願いします。
読んで頂きありがとうございます。
音楽フルバージョン
https://youtu.be/S0pODleSjlc
音楽&台本 Guardian
音楽ガレージバンドオーケストラにて製作
©︎Guardian&Nanako Japan
Comment
2commnets
- Guardian&N Japan
- nekoいただきました。 ありがとうございます。