【朗読声劇】おくりもの【台本】

新王(新女王)：あなたの名前

人の手によって様々な想いを込められ"おくられたもの"の話。朗読を意識して書きました。 ＊男女どちらでも読めます(王か女王になれます) ＊アドリブ&アレンジOK ＊台本の転載はNG -------------------------------------------- 暗闇をひと筋の光が切り裂き 深い森に囲まれた此(コ)の国に朝がきた 戴冠式(タイカンシキ)が始まる 城の最上部(サイジョウブ) 身を起こしたワタシに家来が駆け寄り 慣れた手つきで着替えさせていく 「坊っちゃま(お嬢様)、今日はこちらも…」 装飾に汚されたそれを睨(ニラ)むと コンコン、と重たい扉の向こう側を叩く音がした 「まだかかるのか？新王(新女王)！…いや、まだお前はただの息子(娘)だったな」 大嫌いな人の大嫌いな声だ 「あとは王様(女王様)が贈られたマントだけです！」 家来が代わりに答える慣習のせいで ワタシはいつしか言葉を失った 着替えが終わり家来が部屋を出ていく ワタシは隠していた指輪を取り出し 陽にかざし眺めてからそれを付けた 赤子(アカゴ)だったワタシをこの国に送り込んだ際 実の親に託された唯一の贈り物だ 「終わったら、会いに行きます…」 そうつぶやき、ワタシは式へ向かった -------------------------------------------- BGM：倭国伝／Shimezoさん 【あとがき】 神秘さよりもシリアスさが目立つ台本になりました。悲劇ではありません。この台本に出てくる3つの"おくりもの"を意識していただければ嬉しいです。失ったのは言葉ではなく返答だということも含め、いろいろ想像しながら読んでみてください。 この音楽を聴いたら、大好きで何回も観ていた『ドラえもん のび太の太陽王伝説』を思い出しました。 #声劇台本 #脚本家白湯 #朗読 #台本 #王国 #ファンタジー #シリアス #戴冠式 #Shimezoオリジナル #Logic