【声劇】映画告知風CM『生きる色』

台本:りーくん 凛奈役: マカ 笛吹役:

先生(´°̥̥̥ω°̥̥̥｀) よかったらコラボ… ーー登場人物ーー 佐々木 凛奈(ささき りんな) 16歳。赤ん坊の頃から『色覚異常』という症状を持つ少女。白黒な世界を恐れてずっと目を閉じて生活していた。 笛吹 和正(うすい かずまさ) 31歳。凛奈の住む町の唯一の眼科医の医師。大学で眼科学を学び、その才能が認められ眼科医になる。 ーー台本ーー 凛奈→🚺 笛吹→🚹 (音楽が鳴り始めたら) 🚺「先生。私、色が見えないんです」 🚹「彼女は間違いなく色覚異常だ」 🚺「誰も何とも思ってくれないんだ。先生しか」 (ちょっと嬉しそうな感じで) 🚹「以前に君と同じ症状の子が来てね。君はその子に、どこかそっくりな気がするよ」 🚺「目が覚めたら色が見えたりして…なんてね」 🚹「凛奈ちゃん、いいものを見せてあげる」 🚺「これが、海…？」 🚹「そうさ。世界と世界を繋いでる」 🚺「先生。私ね、海が見たい。綺麗な海を見てみたい」 🚹「きっと見えるようになる。そのために俺がいるんだ」 (強く呼びかけるように) 🚺「先生ッ！先生ーーーッ！！」 (説得させるように) 🚹「諦めちゃダメだ！君はもっと広い世界を見ないといけない！」 🚺「大丈夫。笛吹先生は、私が信じた人だから」 🚹「彼女の辛さが、あんたに解(わか)るっていうのか！」 (落ち着いた感じで) 🚺「神様…私にも色…ください」 🚹「２年前の患者は…きっと君の…」 🚺「この目で前を向かなきゃ。そうでしょ？先生」 🚹「生きる色 ４月１１日 公開」 (すすり泣くように) 🚺「先生っ…海…見えたよ…！」 ーーーストーリーシナリオーーー 『色覚異常(しきかくいじょう)』。 又の名を『色盲症(しきもうしょう)』といい、ヒトの色覚が正常ではなく、見えるのは白黒の世界。日本における発症率は男性で5%、女性で0.5%と言われている。 佐々木 凛奈は、その低確率の症状を生まれつき持つ悲劇の少女である。白黒な世界が普通だと思っていたが、両親に「病気でそう見えている」と告げられ、自分の異常な立場に恐怖を覚え、必要でなければ目を開けようとはしなかった。あらゆる眼科をまわったがどこにも相手にされなかった。 凛奈は色覚異常が原因で、小・中学生の頃は一部の生徒からいじめを受けていた。「眼が見えないコと友達にはなれない」、「白黒の世界ってどんな感じなの？」などと嫌味に聞こえる言葉を浴びながら日々を過ごしてきた。それでも凛奈は、見えにくい黒板の文字を必死に読み取ったり、優しく接してくれる友人に助けられ、中学を無事に卒業した。 高校は、自分の色覚異常を知っている同級生がいるのを避けるために、家族で遠くへ引っ越す。そして、二度といじめられぬよう『頑張って目を開けていよう』と志す。 高校へ入学してからは白黒の世界に我慢して過ごしていた。だがその症状には毎日のように悩まされていた。引っ越したのだから今度こそ助けてくれる医者がいるだろうと、町にある唯一の眼科へ足を運ぶ。 そこで凛奈は、天才眼科医の笛吹と出会う。 笛吹は凛奈にとって、初めて真剣に診察してくれる医者であった。そこから芽生える信頼は強いものだ。 笛吹もまた、特異的な眼科医であり、凛奈の他にも過去に一人だけ同じ色覚異常の患者がおり、その人を無事に完治させた経験を持つ。 その話を聞いて、凛奈はこの人に任せてみようと心に決める。 治療するために、笛吹のもとで生活するが、一向にそれらしい診察はしてもらえなかった。その代わりに、笛吹は凛奈に初めての海を見せた。小・中学の頃に目を閉じて生きてきた凛奈は海を知らなかったのだ。白黒にしか見えない凛奈にとっては何も面白くなく、ただ何か平らなものが薄っすらと広がっているだけだった。凛奈は毎日のように海に連れていかれた。最初はつまらなく思えたが、だんだんと海に興味を持ち始める。 他にも色々なものを見せてもらったが、何より海だけが凛奈を魅かせた。 ある日、笛吹は交通事故に遭い、全身が麻痺する重傷を負った。凛奈は現場にいたが、何もできずにかえって邪魔になり、実家に帰るように指示される。 数週間後、笛吹は自分の病室で息を引き取り、死亡が確認された。その知らせを受けた凛奈はすぐに笛吹のもとに着く。自分が信じていた医師の死は非常に悲しいものであり、彼の死は凛奈の心を大きく動かした。その衝撃で凛奈の目に変化が起こる。ふと窓の外を見ると、白黒ではない別の色が目に映った。それは他でもない、笛吹に教わり笛吹に見せてもらった、海、であった。 １2年後。どんな過程を通ったのか、色覚異常も完治した凛奈は、眼科医となっていた。笛吹の後を継ぐためか、笛吹への恩返しのためか、その気持ち意志というのは、彼女にしかわからない。 #声劇 #台本 #映画告知風CM #生きる色