幻想月華正月企画サウンド①
神様ver①
幻想月華正月企画サウンド①
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#声劇 #和風 #幻想月華 #イヤホンヘッドホン推奨
皆様、あけましておめでとうございます。
幻想月華正月企画(というか正月報告会)1話目投稿です!
正月、ということなので今回は神様達のお正月のお話になっております。(2話)
番外編では、まだ謎多きあの人(?)達のお正月が…ฅ^•ﻌ•^ฅ
本日より1話ずつ投稿していきますのでお楽しみに(*´꒳`*)
それでは1話目!今回の主役は天照&月詠の姉妹です!
正月は忙しかったであろうこの姉妹…どんな正月を過ごしたのでしょうか?
ぜひ最後まできいてみてくださいね!
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元日。
まだ東の空がぼんやりと明るいだけの早朝にもかかわらず、天照の社の前には国中の神々が集まっていた。
八百万、と言われるだけあって、多くの神々が我先に天照様を拝見したい、とひしめき合っている。
そして。
社の扉が開かれると同時にまばゆい光が辺りをつつみこむ。
──新たな朝がやってきたのだ。
その光とともに一人の女性が現れる。
すっと背筋を伸ばし凛とした空気をまといながら歩を進めていく。
その堂々たる雰囲気は、彼女がこの国の太陽神にして最高神、天照であることを如実に表していた。
天照様!と叫ぶ群衆を片手を挙げただけで制すと、厳かに、そしてまるで物語でも語るかのように宣言した。
(天照)「新たな年がやってきた。……この国の全てのものに、光の恵みをもたらすと私は誓おう。和ノ国に、幸あれ!!」
わぁっと一斉に歓声が上がる。
社の周り全体の空気が渦を巻くように上昇していく。
それに天照は心に染み入るような優しい微笑みを浮かべ、社の中へと戻っていった。
新たなる年の新たなる朝。
一度沸き立った歓声はいつまでも止むことはなかった。
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正月も過ぎ、やっと忙しさがおさまってきた頃……四神の民の付き神達は天照の社に呼ばれ、餅や煎餅を食べながら『お正月報告会』なるものを行っていた。
報告会、と言ってもお茶会に近いものなのだが。
(天照)「はぁ〜♡ やっぱりお餅おいしいです〜! 」
(タケミカ)「もぐもぐ……うめーっ!! やっぱ磯部だな!」
(ヒノカグ)「おれきなこっ!」
(ヨミ)「お煎餅もあるよー!」
大きなコタツの上に、餅やおかき、煎餅などの米菓子が所狭しと並べられている。
幸せ〜!と言いながら熱々のお餅を頬張る天照。
そして隣の部屋から煎餅を運んできた月詠から皿を受け取り、また嬉しそうに食べ始める。
ヒノカグ・タケミカ姉弟はお餅が気に入ったのか口いっぱいに餅を頬張り、幸せそうに笑っている。
報告会の『ほ』の字も見あたらないこのまったり加減。
これでは『お正月報告会』ではなく『THE☆ただのお茶会』である。
(タケミカ)「ムグムグ……しっかしなんでこんなに大量の餅に煎餅が?」
餅を頬張りながらタケミカがふとした疑問を口にした。
確かに、先程からかなりの量を食べているが、月詠が運んでくる量に衰えは見られず、皿はいっぱいのままだ。
(サクヤ)「お正月の貢物ですか?」
(天照)「もぐもぐ……実はねー……」
天照はお餅を伸ばしながら話し始めた。
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三賀日、天照の社には人も神もたくさん参拝に訪れる。
本来なら天照本人が出向き参拝者を見届けるのだが、連日何千人も来られるとさすがにずっと見ているのは無理がある。
だって神様も疲れるし。
そこで、神使(しんし)である鹿達に対応を任せ、少しの間部屋にひっこむことにした。
(天照)「……はぁ〜……疲れたぁ〜……。……いや! だめよ! 私は太陽神、正月から休んでなど……やっぱりきゅ〜け〜い」
部屋に戻っても、仕事がないわけではない。
正月に参拝することができない神達からの手紙が山積みになっているのだ。
人間は年賀状を一枚作ってそれをコピーすればいいだけかもしれないが、手紙となると一人一人書いて返さなければならない。
太陽神も大変だ。
(ヨミ)「お姉ちゃーん?」
あぁ仕事が終わらない……私だってお正月楽しみたいのに……お雑煮食べたい……お餅食べたい……くすん……などとブツブツ独り言を言い始める天照。
(ヨミ)「お姉ちゃーん? 久延毘古(クエビコ)様からお届け物だよー」
(天照)「うわぁっ! びっくりしたあ……」
視界がいきなり大きな箱で覆われ、飛び起きる。
目の前に妹である月詠が大きな荷物を持って立っていた。
農業の神『久延毘古』からの貢物らしい。
久延毘古は毎年、自らが育てた食べ物を送ってくれるのだが、またその出来が素晴らしいことこの上ない。
農業の神が手塩にかけて育てたのだから当然といえば当然なのだが。
(天照)「……これは……紙?」
今年はなんの野菜か、はたまた米か何かだと思ってよく見たら、それは巨大な和紙の束だった。
部屋の外にいる神使の鹿が3匹、地面にへたりこんでいるのが見える。
これだけ重い物を山奥から運んできたのだ、疲れるのも無理はない。
月詠が彼らに話を聞いてみると、
(ヨミ)「ふんふん、なるほど……。神使曰く『米でできたただの紙っすね』だってー」
……『紙』? 久延毘古はなぜ紙を送って来たのだろう……と悩む天照。
せっかくもらったところ悪いのだが、あいにく紙はたくさんストックがある。
手紙を書く用に事前に用意していたのだ。
だがせっかくの貰い物を無下にするのも……。
(天照)「……せっかくですし、これで書き初めでも」
(ヨミ)「はい道具」
(天照)「用意がいいわね……」
天照が腕まくりをしようとしたときにはもうすでに月詠が習字道具を二人分部屋にセットしていた。
さすが我が妹、と思いつつ筆をとる。
早速月詠は今年の目標を一筆記そうとしているようだ。
何を書こうか……と天照が迷っている間にあっという間に月詠は書き初めを完成させる。
(ヨミ)「こーしてっ、こーで、よし!」
月詠が和紙になぜか『お菓子』と書いた瞬間、
(天照・ヨミ)「え」
『お菓子』と書いた和紙がボン!という音と共にお煎餅に早変わり。
(ヨミ)「わああ! お煎餅になったあああ!!」
(天照)「え!? わ、私も」
予想外の事態にテンションが急上昇した月詠につられ、天照も『おかき』と和紙に書いてみる。
するとまたぼふんっ!と音と共におかきが現れた。
(天照)「す、すごい!おかきに!」
天照も興奮し始め、月詠と共に片っ端から思いつく米からできるものを書いていく。
(天照)「米菓食べ放題じゃないー!!!」
その日の仕事が全て終わった後、神使達や月詠と共に天照がお餅を頬張りまくったのはまた別のお話……。
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(天照)「……と、いうわけで米類には困っていません」
話をきいた皆が唖然としている中、月詠がお煎餅達を召喚する音と天照が煎餅を頬張る音だけが響く。
(タケミカ)「クエちゃんすげえな!?」
元々久延毘古とは仲の良いタケミカはあまりの驚きにかたまり、煎餅を手から落とすほどだ。
(ヨミ)「お煎餅ー♪」
(ヨミ)「おかきー♪」
(ヨミ)「五平餅ー♪」
(天照)「ムグムグ…今年も幸せな年になりそうです♡」
太陽神が幸せそうに微笑む。
今年はこんな平和な年になるのだろうか。
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- かえる🐸ツクヨミちゃんが可愛すぎた……(灬º﹃º灬)♡