[一人声劇]拝啓、愛した人へ。

読み手()

台本二本目です。 ------------------------------ 拝啓、愛おしい貴方へ。 あれから、もう半年程経ちました。 僕は僕で、有意義な時間を過ごしています。 お元気ですか？ ご飯はちゃんと食べていますか？ 生活のリズムは崩れていませんか？ バイトは続いていますか？ お父さんとはうまくやっていますか？ お母さんとは仲のいいままですか？ いま、幸せですか？ 色んなことを聞きたいですが、幸せなら、それでいいです。 あなたを恨んだりなんかしていません。 僕が子供だった。ただそれだけのことです。 ...彼とは上手くいっていますか？ ...いっていますよね。そうなるように行動したのも僕だから...わかっています。 ...後悔しないように。そう考えて行動しました。君も、僕も、幸せになれるように、と。 ...でもひとつだけ。ひとつだけ後悔していることがあるんです。 それは貴方に、「さよなら」を言わせたこと。 僕はそう言われた時、本当に辛かった。 ...でも、そう言った方が辛かっただろうなって、今ならわかるんだ。 だから、そう...こういう時は、「ありがとう」って、言うんだったよね。 「さよなら」僕の愛した人。 ------------------------------ 彼は孤独に少年時代を生き、そんな中出会った初めての彼女が、「愛した人」です。 少年と彼女は、大人になったら同棲して、結婚する約束までしていましたが、交際して1年が経とうとしていたある日、急に別れを告げられます。そして、その数日後には新しい男の影がありました。少年は決意し、全てを捨て、また孤独に生きることを決めました。もう、帰ってこないことも、愛すことも、愛されることも無いことを理解し、肯定しながらも、彼女を恨むことが出来ないが故に、誰かを愛することも出来ない少年の後悔と、新たな決意を書きました。 書きたくて書いたものですが、読んでいただければ嬉しいです。o(_ _)o　ﾍﾟｺﾘ 少しだけ文を削りました。酸欠になりそうだったので。笑 #声劇