狂気にまみれし赤き華、大地に咲く儚き純恋花
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狂気にまみれし赤き華、大地に咲く儚き純恋花
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#BGM #綺麗 #静かな
#プロローグ朗読後半
。.:*:・'°☆
「姫様、わたくしたちは同じなのです。闇を受け入れましょう?ああ、愛惜しい姫様。愛しておりますわ。」
彼女は姫に手を差し伸べる。だが姫は、初めて自分を真っ向から見てくれた彼女の、その手を取らなかった。そしてそのすぐあと、姫は1人、絶望に苛まれ、自害した。
父である神と姉である女王は彼女を見ていたというのに。
父は悪化の原因となった破壊の女神を、堕とした。すぐ下の天界ではなく、その下の人間界でもなく、その下の地底でもなく、更に最下層奥深き場所へと。彼女もまた、娘には代わりなく、殺すことを躊躇ったために封印したのだ。
父は姫の死を嘆き哀しみ、姫を甦らせた。記憶を消し、元より司っていた癒しに守護の力を与えた。
もう、自ら死ぬことがないように、他者からも殺されることがないようにと。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そして現代、人間たちの秩序と安寧のために女神たちは人間に混ざること数百年。
記憶の彼方に追いやられた破壊の女神・カーディスは誰にも気がつかれずに、忽然と幽閉せし場所から消えた。
。.:*:・'°☆
プロローグ終了
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