【声劇台本】君の歩幅と僕の指先

【台本】もやし×【声】あなた

冬は寒いけど、景色はとても綺麗です。 ゆっくり歩きたくなります ──────────── マリンスノウの中に取り残されて 空気を白く濁らせる吐息の奥に 30分前に来るはずだった君を見つける 謝る君に「今来たところ」だと嘘をつく 君は僕に「トナカイさんね」とマフラーを巻き付けた 君の手を取り クリスマスカラーに彩られた街を ゆっくり 歩く 体温が溶け合うのを待ちわびながら 秒速 1.3m で 君と歩いていく 君の髪に舞い降りた白い妖精を 気付かれないように そっと払う 傘を持って来れば良かったな、なんて思いながら 秒速 30cm で君に触れる彼らに 密かに嫉妬したのは 君には内緒だ ──────────── 今年もあと少しで終わりですね...