ここでキスして。

椎名林檎

尾崎さんは私の光です ずっと大好きな人 憧れの人

ん って顔をして当たり前のようにキスを待つけどしてくれなかったらどうしようって心のどこかでいつも考えていた 応えてくれなくなる日が来るんじゃないかっていつも思ってた 仕事終わり マンションの下から自分の部屋を眺めて 洗濯物が干してあるのを確認してから部屋に向かうのが日課になっていた ただいまっていってドアを開けて また当たり前のようにん って顔をして キスが降ってくる それまでの不安なんか嘘みたいになくなってしまう 君が待つ部屋がわたしのすべてで 君がいることがわたしの全部だった 尻に敷いているようで敷かれていたのかもしれない 踊らせているようで踊らされていたのかもしれない でもそんなことには気づかないふりをして 余裕なふりして またん って顔をして キスをもらって 私は家を出た キスと わたしと あなたと それから