【声劇台本】黒猫のハロウィン【一人声劇】
語り:あなた / BGM:シュリ / 台本:白銀シキ
【声劇台本】黒猫のハロウィン【一人声劇】
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女の子の元に帰りたいという思いと、
黒猫に帰ってきてほしいという願いが起こした奇跡。
僕はあの子の笑顔をずっと忘れない。
きっとまた会えるはずだ。
※投稿時には【声劇台本】の“台本”を消し【声劇】としてください。
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僕は黒い猫のぬいぐるみ。
随分昔からある女の子にとても可愛がられ、いつしか意識を持った。
僕はその子の一番のお気に入りだったから
遠くの旅行にも特別に連れていってもらえて
最終日のハロウィンでは
可愛い魔女に変身した女の子に抱かれ、一緒にお菓子を貰う旅をした。
その帰り道のことだった。
歩き疲れた女の子は父親の背中で眠ってしまい、
僕を抱いていた腕から力が抜けた。
布と綿で出来た僕は、
談笑しながら歩く父親たちに気づかれないまま柔らかく地面へと落ちる。
ぬいぐるみの僕はただ、
遠のく背中を見えなくなるまで眺め続けるしかなかった。
気づくと僕は路地裏に座っていた。
見上げた空は橙と藍色が混じり、夕暮れだと知る。
ふと見下ろした僕の足はいつもより長く、
違和感を覚えた両手には五つの指。
慌てて全身を見回し、僕は人の体を手に入れたことに気づいた。
もしかしたらあの子が僕に会いたいと願ってくれたのだろうか。
神様が、僕があの子と再会できるように、会いに行けるように
足をくれたのだろうか。
それなら早く会いに行かなくちゃ。
僕は立ち上がり路地裏を飛び出した。
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BGM:Original Piano BGM (寒空の下)/シュリ
昨年のハロウィン企画で描いた、とあるフォロワーさんのハロウィンキャラの物語。
今回は一目惚れしたシュリさんのオリジナルBGMをお借りしました。
ありがとうございました。
この投稿のURLは
http://nana-music.com/sounds/01edad07/
です。
録音時の台本参照などにご活用ください。
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