1983年 10th『予感』から
自分より1歳ちょっと上(学年では2つ上)の中島みゆきさんは、あの60~70年代はじめの大きな時代のうねりの中で若いときを過ごしている。
みゆきさんの歌には、あの時代を経験・挫折したこと、あるいはあの流れに少し乗り遅れたことを歌ったと解釈できる歌が多い。
この歌も自分は初めて聴いたが、そういう解釈ができる歌と思った。
この歌は直喩的だが、一見男女間のことや他のことを歌っているようだけど、少し難解という歌は、上記の視点で見なおすと腑に落ちるというものが、けっこうある気がする。
今回は、二番を歌ったのだけれど、この歌の歌詞を載せておきましょう。
誰のせいでもない雨が降っている
しかたのない雨が降っている
黒い枝の先 ぽつりぽつり血のように
りんごが自分の重さで落ちてゆく
誰のせいでもない夜が濡れている
眠らぬ子供が責められる
そっと通る黒い飛行機があることも
すでに赤子が 馴れている
*もう 誰一人 気にしてないよね
早く 月日 すべての悲しみを癒せ
月日 すべての悲しみを癒せ
怒りもて石を握った指先は
眠れる赤子を あやし抱き
怒りもて罪を穿った唇は
時の褥に愛を呼ぶ
されど 寒さに痛み呼ぶ片耳は
されど 私の裏切りは
誰のせいでもない雨が降っている
日々の暮らしが降っている
*
船は港を出る前に沈んだと
早すぎる伝令が 火を止めにくる
私たちの船は永く火の海を
沈みきれずに燃えている
きのう滝川と後藤が帰らなかったってね
今ごろ遠かろうね 寒かろうね
誰か あたしのあの人を救けてよと
跣の女が雨に泣く
*
Comment
7commnets
- ポン酢🍋✨
- Pinebridge
- Pinebridge
- ポン酢🍋✨
- しげ☆ゆきみゆきさんの歌詞は難解なものも多くて、でも、ご本人は敢えて詳しく解説されませんよね。 聴く側の年齢や環境によっても解釈が違ってくることもあるので、ほんと奥が深いなぁと思います。 久しぶりに聴くと印象が変わって新たな感動もあります。 名曲の数々UPありがとうございます(*•ω•*人)
- Pinebridge
- ちぃみゆきさんの世界は不思議なくらい引き込まれます♥ 余りにも沢山の歌を歌われてて、まだまだ知らない歌が多いんです! その分、こうやって出会えた歌は凄く印象に残ります♪。.:*・゜