声劇「再夏(オリジナル台本)」
あめだま×あなたの名前
声劇「再夏(オリジナル台本)」
- 7
- 0
- 0
子どもみたいにはしゃぐ彼女をよそに、線香花火はもうその時を終えようとしていた。灯りを落とすその瞬間まできらびやかに夜を照らす姿に、二人して見惚れた。
⚫️「今年の夏も終わっちゃうね」
○「そうだね」
あっという間に消えた光。真っ暗な夜に包まれた境内はいつもより少し、幻想的だった。
⚫️「四季って何のためにあるか、知ってる?」
彼女は得意げに、幸福な哲学を語る。
⚫️「幸せを忘れないためにあるの」
○「へぇ」
⚫️「あー!よくわかんないこと言ってるこいつって、思ったでしょう!」
火の消えた線香花火をぶんぶんと振り回して、もう怒ったから!とほおを膨らます彼女を、去年の夏も見た気がした。僕らの夏がまた、終わろうとしていた。
⚫️「夏は、特別なんだよ」
彼女はそう言って、また、灯りを灯した。
⚫️の所をどうぞお願いします。
Comment
No Comments Yet.