声劇:線香花火 第2話
紅鉄灯苑 役:月夜鴉 × 希琉月 役:詩葉
声劇:線香花火 第2話
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紅鉄灯苑 役:月夜鴉
希琉月 役:詩葉
✄--------------- キ リ ト リ ---------------✄
琉月「…あれっ」
灯苑「……ちっ」
琉月「君、確か。僕のバンドのライブ来てなかった?」
灯苑「は?……あ、確かあんた」
琉月「あ、やっぱりだ。ずっと君の事気になってたんだよね」
灯苑「……どうして俺なんか」
琉月「なんでか目に入っちゃってたんだよね。どうしてかわからないけど」
灯苑「…変なヤツ」
琉月「はは、良く言われるよ。…君、名前は?」
灯苑「……工学二年の紅鉄灯苑」
琉月「僕は芸能三年の希琉月。良ければ仲良くしてくれないかな」
灯苑「…嫌だ。俺は誰ともつるむつもりはねえからな」
琉月「……一匹狼ってやつ?」
灯苑「そんなもんだ。ほら、さっさと帰れ」
琉月「じゃあまた明日来るね」
灯苑「は?何で来るんだよ。いま断っただろ」
琉月「今日の話でしょ?だからまた明日来る」
灯苑「いや、おかしいだろ。…お前人の話聞いてたか」
琉月「……灯苑くん、引いたら追わない人でしょ」
灯苑「あ?」
琉月「だーかーら、強引でもいいからちょっと押して行こうかなって!僕、灯苑くんと仲良くなりたいしね。じゃ、また明日ね!」
灯苑「.……何だってんだ、あいつ」
--------------- キ リ ト リ ---------------✄
人と関わることに嫌悪感を示す一匹狼の紅鉄灯苑。
誰かと共に居る事に異様な執着を見せる希琉月。
対極な二人は、出逢う前からお互いを知っていた。
学内で軽音部のボーカルを務める琉月は、少し前の学内ライブでじっとこちらを見つめる瞳が気になっていた。
何故自分をあんなに見詰めていたのか。
何故自分に何かを伝えたそうだったのか。
彼はどうしてもそれが知りたくて、そしてある自分の願いを、その青年に果たしてもらうために。
彼は青年がいつも居座っている屋上へと足を踏み入れる。
孤独を好み、誰かと共にいる事を嫌う青年に近付く、「一人ぼっちを怖がる」青年。
二人の出会いが吉か凶かはもう少し後の話。
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