「声」声劇 一人声劇
レーニャ
「声」声劇 一人声劇
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私の、名前を大切そうに口にする。一文字、一文字、大切そうに、まるで教卓の上の名簿にある私の名前を人差し指でそおっと、なぞるように。どうしてだろう、貴方に名前を呼ばれていると、すきだよ。と言われているみたいでくすぐったくなる。
高くもなく低くもない君の声がすぅっと、耳に溶け込んで、胸に支えた(つっかえた)言葉がほろり、ほろり、と花が咲くように溢れていくのはきっと私が恋をしているからなのでしょう。
人生の中で脈打つ鼓動の数が決められているのであればきっと貴方は私を、私は貴方を殺そうとしているのね。
へらり、へらり、とイタズラが成功した子供のように笑いながら名前を口にする。ほら。こんな時でも、私の心臓は死に急ぐように。いつもより少しだけ速く動いてしまっているのだから。
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1commnets
- 🌵Comic🐎🏜️🌵お借りしました✨