トリカブトの鏡
劇団ステラ
トリカブトの鏡
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書き下ろし第二作
「あなたとは、もう戦いたくないです…」
「聞けないなぁ。君たちは僕の敵なんだ、君たちもそうだろ?」
「…そうですけど、でも、私は、戦いたくない…。何か止められる方法があるはずです…今からでも遅くはありません、無意味な争いはもうやめましょう…?」
「はぁ、甘い事言わないでよ。先にふっかけた
のはそっちなんだから、いまさらそんなこと言われても困るんだけど?」
「…私たちが、何をしたって言うんですか」
「…はぁ?何を質問してくると思えば…そんなのとおの昔に忘れたよ」
「え…?じゃ、じゃあ戦わなくても…!」
「バカじゃないの?戦わないのが平和だけど、生憎と僕は戦いが大好きでね、ちょうどいい口実になっているのさ」
「そんな…」
「そういうわけで悪いけど、付き合ってもらうからね!」
「ぅあ!
…戦いなんて…私はしたくないんです…あなたと、もっとわかりあいたい…」
「戦いなんて、何か些細なことでもあれば、きっかけがあればいいんだ。
きっかけがあったからこそ戦える。
お前はもう、逃げられないんだよ」
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