【声劇(2人)】前奏-悪魔の前王-
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【声劇(2人)】前奏-悪魔の前王-
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<登場人物>
ヘルツェゴール…投獄された前王
ナレク…ヘルツェゴールの友人
<台本>
ナレ>かつて、この国には「悪魔」と呼ばれた王がいた。その男の名は、ヘルツェゴール。彼はその国で多くの悪意を生み、多くの税を徴収し、人々を奈落の底へ貶めた。しかしその強大な罪は彼の心をむしばみ、その四肢を喰らった。………遠い昔の話だが。
ヘル>………何をしに来た、ナレク。
ナレ>何って、落ちぶれた悪魔の顔を拝み来てやったのさ。嗚呼、これがかつての友人だと思うと、吐き気がするよ。ねぇ、その牢の居心地はどう?俺が君のために特注で作ってもらったんだ。
ヘル>あぁ、異臭はするわ、寒いわで、最低最悪だな。反吐が出る。………けど、外の世界を見なくていいって事で、案外居心地は悪くないな。
ナレ>へぇ、変わってるね。俺ならこんなところ、一秒ったっていたくないよ。
ヘル>そんなら、なんでこんなところ来たんだかねぇ。俺が落ちぶれた後、責任かぶって騎士を退任された元英雄様が俺と話してるところなんて見つかったら大罪だろ。とっとと帰れ。
ナレ>それが、そうも言ってられなくてな。お前を、ここから出してやる。この世界は、死んだ。もう、この国に平和はない。お前をこの牢に閉じ込めた奴らは、お前に懺悔しながら死んでいったよ。お前は、悪の王を名乗ることでこの国を守っていたのだと、奴らは後から気付いたってことさ。
ヘル>………お前は、いつも真実を後回しにするな。そういうところ、嫌いではないが…な。
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