【声劇台本】「夢鏡」〜後編〜
あなた( )
【声劇台本】「夢鏡」〜後編〜
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せりふ
様々な自分の顔が映っていた。
あるものは、嬉しげで、
あるものは、悲しげで
あるものは泣いていて、
あるものは笑っていた。
私は、
とても不安で恐ろしい気持ちになった。
自分の名前さえも思い出せない…。
底知れぬ恐怖にうずくまって震えた。
その時、一つの破片に映る自分が
とても優しい表情でこう云ったのだ。
"「貴方は、あなたしかいないんだよ。」"
その瞬間、私は眩い光に包まれ、
まるで、魔法の言葉に応えるかの様に
白い扉が現れたのだ。
私はドアノブに手をかけ、ふと
後ろを振り返る。
そこには1枚の大きな、
丁度、人の体が全体が映る鏡に
映る自分の姿が…あった。
「いってらっしゃい」
鏡に映った自分が手を
降っているような…そんな気がした。
前編はこちら↓
http://nana-music.com/sounds/019efccd/
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