【声劇】とある青年の心象
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【声劇】とある青年の心象
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#声劇#拍手必ず#フォローするかも
はじめましてーLapislazuliです!
今回初めて声劇と言うものを
出させていただきました!!
それでは自由に読んでいってください!
さて、どうしようか
このまま死んでしまおうか
夜中に抜け出して
高いビルにでも登って
朝日を見ながら落ちる
世界を上に見て天を下に見ながら
滑稽(こっけい)だろう
走馬燈(そうまとう)を見れたら尚更
もっと良い最後になるのでは無いか?
そう考えてしまうのはきっと
まだ、この世に未練が有るからだろう
さぁ、足をかけてそこに立つ
少し風が吹いて鳥達が舞う
あと少しで日が昇るのだろう
周囲が明るく見えてきた
チラホラと車のライトが見える
こんな朝早くから出勤か
「可哀想に」
ただそれだけしか思わなかった
少しずつ明るくなる空
周りを橙(だいだい)に染め
雲を紅(くれない)に光らせる
その光景はすごく美しいものに見えた
この世界にもまだ
こんな景色があったのか
私はこの時初めて
感動したのかもしれない
また風が吹く
今度は先程よりも強く
まるで私の背中を押すように
強く強く吹き付ける
私はそれに身を任せた
ふっと何かに押された気がした
宙に体が浮く
風が服を靡かせ(なびかせ)頬を撫でる
まるで父の背中に要るみたいに暖かく
母に撫でられているように優しい
私は酷く懐かしさを覚えた
そして意識を手放した
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