【一人朗読】魚

読み手:ゆざた 台本:箱

箱さんの台本 また やらせていただきました。 コラボされている曲といい 言い回しといい 世界観があって素敵ですね 前回よりもやりやすかったです！ 雰囲気で 「食う」をゆう「食らう」と読んじゃいました。 楽しかった！ ちょっとはまりそう( *^艸^)ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ 2016.2.29 📕以下 台詞 目の前に魚がいる 黒く焦げたヒレとその周りの発達した筋肉は それが悠々と水を掻いていた姿を想像させる 目はぎょろりと白く空を睨み、うっすらあいた口からは、 小さく鋭い歯が見えている おい、お前、俺を食うのか 動かない唇から声が聞こえる カタカタと音を鳴らしながら、箸が腹を割く 固く真っ直ぐに伸びる骨にぶつかり、 その身はほろほろとこぼれる 口にすれば、薄くつけられた塩味と肝の苦味が広がって、 鼻に抜ける やがてそこには、頭と骨と尻尾だけが残る それでもなお魚であろうとするその形は、 今にも泳ぎだしそうなほど、生命力に満ちている おい、お前、俺を食うのか 動かない唇から声が聞こえた