【一人朗読】教室の窓
Poem : Kilia Music : レーニャ(葉々色)
【一人朗読】教室の窓
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#オリジナル
三角定規の鋭さ
分度器の曲線
コンパスの開脚
物差しは己れを超えるものは測れない
「三角形の二辺の和は他の一辺より長い」
明快な論理が黒板に白く浮いている
その横に描かれた三角形は
ぼくに何も語りかけてこない
生徒達は皆
横罫の入っている白いノートに
鉛色の文字を黙々と書き続けて
黒板を打つチョークの白い音だけが
教室の静けさを満たしている
ぼくは初夏の青い空の中に一人
カンジンスキーの三角形を想い描いた
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おそらく、大学生の頃に書いた作品。
舞台は、高校時代。
理系志望だったので、数学は数2Bまで選択しましたが、無機質で退屈な授業でした。
もちろん、今では公式など、すっかり忘れてしまいました。
自分のペースで読んでいただければ、と思います。
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