朗読
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朗読
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朗読やってみた。
静かな夜に、痺れた体に、引きずられるように、軋む心に。
「寂しい」と一度だけ呟いて深呼吸をする。
「寂しい」を身体中に行きわたらせて。
「普通」にしてしまえば少しだけ強くなれるはず。
寂しい、深呼吸。
大丈夫、普通。
寂しい、深呼吸。
もう少し、もう少しだけ。
すぅっと息を吸い込んで、
「大丈夫」って言うその声は深呼吸のたびにひどくかすれていく。
ダイジョウブ、ダイジョウブ。
鏡に写る私の顔は、
どうしようもないほど無表情に泣いていた。
貴女は、だあれ?
ああ、寂しい。
深呼吸を繰り返す夜はあと何日訪れますか?
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