【声劇 朗読】すれ違い
(もえ)
【声劇 朗読】すれ違い
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あなたはさ、誰かに
寿命分けたいって思ったことある?
唐突で悪いんだけどさ。
⋅⋅⋅私はあるんだよね。
ああっ、そんな深刻な顔しないで
お気楽に聞いてよww
これは私の独り言だと思って、ね?
私には好きな人がいた。
その人は出会った時から、すでに
大病(たいびょう)を
患(わずら)っていて
余命も残りわずかだった。
それでも、あの人は私を好きと言ってくれて
私もあの人が好きだった。
会うたびあの人は痩せていく。
会いたくないと思った日もあったけれど
私にとってあの人と会える時間は
何よりもかけがえのないものだから⋅⋅⋅
それから1ヶ月もしないうちに
あの人は遠くに旅だった。
一瞬だったよ。二人の時間は。
その時に思ったんだ。
嗚呼、私の寿命を少しでもいいから
あの人に分けたかったってね。
そんなこと出来やしないけど
たしかに私はそう思ったよ。
すごいいい話でした!!!
そう彼女が白い無機質な
病院のベットの上で笑いながらいう。
僕だって今、彼女に対して
同じ想いを抱いているのも知らずに。
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