【朗読声劇】他問他答「挨拶」【台本】
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【朗読声劇】他問他答「挨拶」【台本】
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#朗読 #声劇 #台本
前編↓
http://hibari.nana-music.com/wp/00e37ab2/
※前編「自問自答」の答え合わせになります。先にそちらに目を通してから見ていただけるとより理解も深まるかと思います。
今回は独白です。ちょっぴり早口程度にするとちょうど良いかもです。
老若男女どなたでも是非是非読んでください!!
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しばらく歩いていくと暗闇の先にもう一人私を見つけた。
彼(彼女)ならあるいはと思いその距離を縮めていくと、さらにもう一人の私が現れ向こうの私に話しかけ始めた。
「誰が何しに来たのか」という問いには二人とも答えられないようであった。だがこのまま立ち往生(オウジョウ)していては私とて八方塞(フサ)がりである。彼(彼女)らと接触するがよかろう。
と思ったが直後話しかけた方の私はその場を去ろうとし、もう一人の私もそれを追いかけようとした。
私が 「待てよ」と声をかけ捕まったのは遅れをとった方で、もう一人は既に闇の向こうへ消えていた。
しかし止めたは良いものの答えを持たない同士、何を話せば良いやら、などと思案している内に機嫌を損ねたのかもう一人の私も奥へと歩いていってしまった。
私は四肢(シシ)を投げ出した。答えを持っている私など存在しないのではないか。この空間から抜け出すことはできないのではないか。ばかばかしくなっていた。
ただもう一人の私もばかばかしいことを続けているようだった。私のもとを去ったのち、暗闇に進路を失った彼(彼女)はひたすら同じところをぐるぐると回っているようだった。
終わりの見えない闇に私は不条理の空虚(クウキョ)と共にまどろんだ。
時間感覚のない空間でどれほど眠っていたのか、のそりと起き上がった私に、もはやどれかもわからぬ別の私が歩みより挨拶をしてきた。
「うぃーっす、おひさー」
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謎は解けましたでしょうか?
必要があれば解説も用意しようかと思います。
優しいお方、どうか読み上げてあげてください...
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