【1~2人声劇】rain✩
貴方様の名前
【1~2人声劇】rain✩
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ふと窓を見やると外は雨が降っていた。
シリアス/恋愛
⚪少女
⚫君
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†
⚪「雨…。」
帰り支度をしていた私は窓辺を見つめながら小さく呟いた。
あの日も雨が降っていましたね。
私は雨が降ると決まって立ち寄る場所がある。
小さく深呼吸をして目を閉じ、放課後の静まり返った空間に私はゆっくりと足を踏み入れた。
⚫「やーっと来た。天気悪ぃから早く帰ろうぜ。」
あぁ、私の大好きな君の声だ。
目を開けば無邪気に笑顔を向けて私に歩み寄ってくる大好きな君がいた。
⚪「うん。」
私も君に負けないくらい笑顔で頷いた。
…だけどそこで私は立ち尽くした。
⚫「?どーした?早く来ないと先に行っちゃうぞ?」
立ち尽くす私を見て君は言ったね。
先に行っちゃうなんて相変わらず意地悪だなぁ。
うん、分かってる。今行くから。
君の背中を追いかけて手を伸ばした。
君は優しく微笑みながら手を伸ばす
だけど…私は掴めない。
これで何回目だろう。
あと何度巡ったら君の温もりに触れられるの?
君への想いが頬を伝って溢れ出る。
温もりを忘れて凍えきった君への想いが。
⚪「あい…たいっ…よ…。」
この想いさえ
声さえ
君にはもう届かない。
私の心にはあの日と同じ雨が振り続けています。
何度も同じ夢を繰り返して…。
✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†
これは最愛の人が事故に遭ってしまい彼が目覚めるのを待ち続ける少女のお話。
タイトルにもなっている『rain』ー雨ーは少女の今の心情を表しているつもりです😅
初めてシリアスな物語に挑戦しました(><)
少女の彼を思う気持ちが少しでも伝わると嬉しいです。アドリブを入れたりしていただいても全然OKです。
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