神曲
あさき
神曲
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無の境地に至らねば。
一度落ちた魚は苦輪
輪廻して止まぬ恨みの目
その背の鰭に突き刺し運河上る
禍言を叫び喰い転めきて
咳き上ぐ者ただつくづく神拝している
彼「やや!そこに在り!」
背中を炙る紅蓮の炎にも気付かずに
呪いの唄口ずさみて
女はびっちゃらびっちゃらと泳ぐ
白き道縷々と綴る
地の獄 是より
天道彩裂き照らす
光に導かれ辿り着いた地ですら苦輪の海
迷い子は紅蓮に焼かれるも泳ぐ
偽りの瑞光信じながら
小坊主
「我は思う!
世に一切の衆生が無くなるまで人は!
憎しみの海泳いでいくのであろう!」
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