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    ドリー
    五月病 すっかり散ってしまった桜の花びらが 排水溝をいたずらに詰まらせていくころ 「自分の在り方」について 否が応でも考えざるをえなくなった僕は 根拠の無い陽気を撒き散らす初夏の空気と とりあえずの勉学に励む同級生に 苛立ちを覚え 目的もなくゲームセンターへ 紫煙を吐き出し 平日の昼間ダメな奴ら同士の奇妙な連帯感 目先 とりあえずの娯楽に興じている 破綻した思考は自らの手を大きく逸れて パレスチナで日々行われる殺戮行為から やがて宇宙の深淵に到るまで そのスケールを拡大し 壮大さと対極の平凡さでもって ありふれた生活を送る地方都市の片隅 ゴーストタウンの中枢部 閑散としたシャッター通り かつて商店街と呼ばれたそこを 通学路にして登校する小学生の声 僕は窓際 その生活音をじっと聞きながら 僕は自惚れた頭の良さを大いに嘆きながら 僕は誰よりも臆病な自分自身を誤魔化しながら 泥のように深い眠りにつく 生き物たちが動き出して 花は美しく咲き誇る なのに僕は今日もくすぶり 何もせずに日々を過ごしていく