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屍弔─another story─

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丁度20歳の時、私はギルドでの功績を認められて、生きた屍を浄化する職業、「零弔(レイチョウ)」に推薦された。   それは私たち一般的な職業の人からすれば天職のような話で、私は一人、その零弔になるための扉を開く。   数々の訓練と、厳しい指導のもと、周りは疲労困憊し、辞退していくなか、私は、パーティのみんなとそれを乗り越えていた。   笑顔の尽きないそのパーティはいるだけで楽しくて、私はその中の一人に恋している。   でもそんな彼は突然、姿を消した。   どこにいるかなんて分からない。   噂では逃げたって騒がれてる。   だけど私は、彼を待ちつづけていた。   あれから三年。   私はいつしか零弔の訓練生を見る、教師のような役割をあたえられた。   それに心踊らせたのは、彼にまた会えるとおもってしまったから。   なぜなら、彼は零弔になるためにここにきた。   もしまだなりたいと思っているなら、またここに姿をみせる。   立場は違うけれど、それでも彼に会いたい。   そんな気持ちで私は、また零弔生が集う大きな扉に手をかけ、建物の中に入っていく。
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