【RPG/𝓽𝓮𝓪𝓶 eNS◐lEillé⛅】ギンギラギン

syudou

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 最初に目にしたのは、猛獣使いの演目でした。 一歩進む毎に増す熱量。 中央にあるステージの上は文字通り火の海で、燃えるポールとバー、吊り下げられた火の輪が無数に、ステージやその周辺を埋め尽くしていました。 ｢これより魅せますは、猛獣使いによる火の輪くぐり！ 炎よりも熱く猛る勇姿にどうぞ、喝采あれ！｣ その声が響くと同時に、客席から走り、燃え盛るステージに飛び込んだ人がいました。 揺らめく炎の間を縫って、中央の高台に辿り着いたその人が、身に纏うマントを翻し吠えると、身が竦むほどの吼え声で応えた猛獣がステージ上を駆け巡り、歓声が上がりました。 猛獣使いが手を高く掲げて、唸ったり、腕を振って合図するたびに、潜り抜けたり、飛び越えたり。 止まることなく炎と踊り続ける猛獣を、夢中で目で追って、衝動のままに声を上げて、私は一瞬で虜になりました。 そのうちに、猛獣使いは両手で合図を出して、猛獣を高台のすぐ下まで呼び寄せて座らせると、なんと自らその背に飛び乗りました。 心臓の鼓動のようなビートに合わせてハンドクラップが始まり、それらが徐々に速くなっていって。 高まる期待と、一瞬の静寂の中、宙を駆けたその人は、一番高かった火の輪を臆することなく見つめて、飛び越えていったんです。 どんな炎よりも眩しくて、どんな美しい毛並みの猛獣よりも気高くて。なれるなんて全く思いませんけど、ただただ憧れました。 世界が揺れているような大歓声の中、高台に戻ってきた猛獣使いは、一礼だけして、炎の向こうに消えるようにして去っていきました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 原曲 ➠ https://youtu.be/dX9gvYi7PJ4?si=Nb_Hf62H-2oNXTqf ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー #子柚叶とあなたのRPG #第3回あるぴじバトルコロシアム #ギンギラギン #syudou #cAnoN ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー