【台本】胡蝶は蛍を、夢見るか。
台本:今夜、笑わない羊の夢を見て。
【台本】胡蝶は蛍を、夢見るか。
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【台本】* bio必読*
▽(無音)
山田
「待ってる、気が…したんだ」
川畑ナレーション
「懐かしい声に振り向けば、あの頃と変わらない君がいる。」
「蛍の聞こえない鳴き声が、泣いている気がした。」
▽(電車の音+BGM)
山田
「これが夢なら良かったのに」
川畑ナレーション
「これが夢でも良かった。
あの頃の君と、少し大人になってしまった私。」
山田
「…君と、大人になりたかったなぁ」
▽(ポチャン)
川畑ナレーション
「沈む。
飲み込まれるように深い眠気に瞼を閉じる日は、決まってあの日の夢を見る。
幼い頃の、枯れた向日葵と、それから…それから…」
▽
川畑
「私に、会いに来ようとしてた!
私さえ君を置いて行かなかったら…っ!」
山田
「君のせいじゃないよ。
僕は、脇目も振らず真っ直ぐに進む君の背中が好きだったから」
▽
川畑ナレーション
「もし、私がもう一度君との夢を見るなら、きっと…、」
山田ナレーション
「もし、僕がもう一度君との夢を見るなら、それは…、」
▽
2人(もしくは1人ずつ割り振って)
「胡蝶は蛍を、夢見るか。」
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はじめまして。
音源合わない箇所あるかと思いますが、許してください。
まじで間合いが難しい。私なら読まない、こんな台本。
似た台本を知っていると思っても、それは前世です。
尚、今回使用しました素敵な音源は
BGMer(https://bgmer.net)さまより【それからのぼくら】です。
★以下、殴り書き★
山田 蛍人が東京から親の都合で引っ越してきたのは、川畑 夢子が9歳になったばかりの月であった。
山田と初めて言葉を交わしたのは、夏の暑さが息苦しいある日。
川畑がこの土地を出て行こうと決めたあの日だった。
「別にね、川畑さんを責めているわけじゃないのよ?
ただ、皆で決めた当番なのにどうして来れなかったのかしら」
赴任してきたばかりの先生は、比較的穏やかな口調で川畑を諭した。
「1日くらい、平気かなと思って」
「向日葵が可哀想だと思わなかったの!?」
非難めいた学級委員長の声が上がる。
眼鏡の奥に見てとれるのは、顕著な怒りの色。
「今度から気をつけるよ」
「川畑さん、今度はないの!
この花は枯れて、もう元には戻らないの!」
叱責が飛び交う教室で、川畑は俯いた。
◾︎
罰として与えられたのは、校庭の雑草抜き。
「…どこか遠くに行きたいな…」
「どこかってどこへ?」
聞き馴染みのない男の子の声に、川畑は弾かれるように振り返った。小麦色の肌をした山田は、不思議そうに川畑を見ている。
「どこかはどこかよ。ここじゃない遠く。
委員長も、先生も、誰もいないとこ」
「でも、いつかは帰ってくるんだろう?」
「…じゃあ、君もいつかは東京へ帰るの?」
「…」
口を一文字に結んだ山田は、不機嫌そうに私を睨んだ。
『お母さんが居ない可哀想な子』
山田が引っ越してきた日、母がそう言った。
「…君って、意地悪って言われない?」
「そう言われた方がまだマシよ」
今度は川畑が不機嫌そうに口を閉ざす。
一番大きい雑草を力任せに引き抜いた。
★登場人物★
・川畑 夢子
東京の大学へ進学
親友の死をキッカケに地元へ帰ることとなる
自分本位な性格
大人になってからは少し落ち着いたが、
頭に血が上りやすく思考力が飛躍しやすい
・山田 蛍人
両親の離婚がキッカケで9歳の頃に川畑が住む地域へ移り住む
少年期からの交流を経て、川畑が大事な人になっていく
東京へはいい思い出がないため、着いて行かなかった
1つ心残りがあった
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#胡蝶は蛍を、夢見るか。
#台本 #声劇 #2人台本 #掛け合い
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